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チームエブロモータースポーツニュース

JAPAN LE MANS CHALLENGE レース報告書

. 6月3日 静岡県・富士スピードウェイにて、ジャパン・ルマン・チャレンジ第2戦が行われました。

 開幕戦で優勝と幸先良い成績を収めて迎えた第2戦は、舞台を富士スピードウェイに変えて行われます。1.5kmと国内最長の直線を持つこのサーキットでは、パワーに優るライバルの無限クラージュに有利と目され、我々はザイテックが得意とするコーナー区間でどれだけタイムを稼げるかが課題となります。

 金曜日のプラクティスでは、予想通り#16無限クラージュがそのパワーを見せつけ、1分32秒6のトップタイムをマークします。 我々も0.8秒差の2番手に着け、決勝を想定したロングランでも安定したタイムで車の仕上がりは上々でしたが、直線スピードでは20kmと予想以上の大差を付けられ、決勝中にコース上でのオーバーテイクが容易ではない事が予想されました。

 土曜日の午前中には、全ドライバーが基準タイムをクリアする為のドライバー予選が行われ、野田選手、自分共に問題なく基準タイムをクリアします。しかし、昨日までと変わって車がアンダーステアになってしまい、想定していたタイムには一歩及ばず、午後に課題を残す事となりました。

 午後に行われたグリッド予選では、午前中に出たアンダーステアの対策を施し、野田選手がアタッカーを務めます。1分32秒5のベストタイムをマークしますが、アンダーステアは解消されておらず、#16が1分31秒0のベストタイムをマークしてきた為、1.5秒と大差を付けられての2番グリッドを獲得。現状のままでは予定している決勝ペースで走る事が難しく、何としても決勝までに原因究明する為、チームクルー達の懸命な作業が行われました。

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. 日曜日の朝には30分のウォームアップ走行が行われ、ここで決勝前の最終調整を行います。

 昨日の作業で原因と思われるところを全てチェックし、まず野田選手が走行を始めます。「昨日よりは良いが、まだアンダーステアを感じる」とのコメントで、車を大きくオーバーステア方向へ調整しピットアウト。セッティングは功を奏し、逆に少しオーバーステア気味とのコメントを聞き、残りの時間を僕がドライブします。コメント通り若干オーバーステア気味でしたが、土曜日に比べれば大幅に乗り易く、決勝への期待が持てるセッションとなりました。セッション後は決勝に向けてのセットアップをエンジニアと相談し、若干出たオーバーステアを消す方向に再調整して、決勝へ臨む事となりました。

 12時34分、このコースで1000kmの220周もしくは6時間で行われる決勝レースがスタートしました。スタートは前回同様、野田選手がステアリングを握ります。ここはスタートラインから1コーナーまでの距離が長い為、パワーに優る#16がトップで1コーナーに入り、我々は2番手でオープニングラップから戻ってきます。#16が1分33秒台でラップを重ねる中、我々は34秒台が精一杯で周回を重ねていきます。決勝用のセットアップと路面温度の上昇も重なり、再び車がアンダーステアになってしまった様で、毎周1秒ずつ離されていく我慢の走行が続きます。

 1時間を経過し、通常のルーティーン作業の為、野田選手がピットイン。給油、タイヤ交換、ドライバーも僕に交代してピットアウトします。車の状態を確認しながら走行していきますが、これまでで最もアンダーステアが強くて乗りにくく、序盤にハーフスピンを喫してしまい10秒程ロスしてしまいます。その後は34秒台がやっとで走行していきながら、どのコーナーでどういう症状なのか、無線で詳しい車の状態をエンジニアに伝えていきます。

 2時間を経過したところで、予定通り再び僕から野田選手へドライバー交代。その際、症状改善の為、フロントのダウンフォースを増やす対策を施してピットアウトしていきます。しかしその直後、審査員から僕がピットインの際にホワイトラインをカットしたとの裁定を受けてしまい、1分間のペナルティストップを受けてしまいます。その後はフロントの対策が功を奏し、野田選手が33秒台でのラップを順調に重ねていきます。その時点でトップの無限クラージュとは3周の差を付けられていましたが、やっと我々の本来のペースで走行していきます。

. レースの折り返し地点を過ぎ、再び野田選手から僕にドライバー交代を行います。車のバランスは格段に良くなっており、最初から33秒台でプッシュしていきます。それまでに#16がマークしたファステストラップ、33秒2を更新する33秒1をマークした直後、無線で#16がトラブルで緊急ピットインした事が伝えられます。その後もプッシュを続けてついに総合トップに浮上しますが、途中#16が我々の前方にピットアウトした直後、突然路面が滑り始めます。#16のトラブルは解消出来ておらず、コースのライン上全域にオイルが撒かれてしまいます。その後はオイルに気を付けながら、野田選手にバトンタッチ。野田選手も問題なくスティントをこなしていきます。

 5時間を過ぎて陽も傾き、野田選手から僕へ最後の交代をしてゴールを目指します。2位との差は十分ありましたが、自分自身と車の終盤におけるスピードと信頼性を確認する為、それまでと同じ様にプッシュしながらゴールを目指しました。

 そして迎えた6時間後、219周終了時点でゴールし、開幕2連勝を飾る事が出来ました。

 今回は不利といわれたサーキット、スタート時点での強いアンダーステアや自分のペナルティなど難関の多いレースでしたが、ピット作業での的確な対策、終盤においてもコンペティティブに走れる車の信頼性と言った、チーム力が勝利を呼び込んだと思います。

 第3戦は7月22日に栃木県・ツインリンクもてぎで行われますが、この流れをそのままに3連勝を目指していきますので、皆さん応援の程宜しくお願い致します。

山崎 信介

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