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チームエブロモータースポーツニュース

JAPAN LE MANS CHALLENGE レース報告書
2006. 10. 28 sat.
観客数:3,200人

 

ドライバーズ予選 晴れ/ドライ 気温:19 - 22℃ 路面温度:24 - 28℃

#16 無限 COURAGE LC70  1分23秒714  2位

グリッド予選 晴れ/ドライ 気温:21 - 21℃ 路面温度:27 - 26℃

#16 無限 COURAGE LC70  1分22秒216  2位

 

 10月28〜29日、岡山国際サーキットを舞台にさわやかな秋晴れの空の下、全日本スポーツカー耐久選手権/JAPAN LE MANS CHALLENGE第3戦が開催された。 今季新たに始まった同シリーズは、全3戦での開催となるため、今大会が今季の最終戦ということとなるが、車両開発のため第1戦の参戦を見送り、第2戦のもてぎラウンドから参戦を開始したTEAM無限にとっては、2戦目ながら早くも今季最後の戦いである。

 前回のもてぎラウンドでは、予想外のトラブルによって完走が許されなかった「無限COURAGE LC70」だったが、今回はなんとしても完走し結果を残すべく、チームはパドルシフトがトラブルに見舞われた際のエマージェンシー用シフトノブを延長し、使いやすくするなど、最終戦を前にして耐久性をメインにマシン各部を見直してきた。金曜のスポーツ走行では、午前10時からのセッション1で31周して1分22秒623をマーク。午後1時45分からのセッション2では、50周して1分22秒420へとタイムを上げるも、ライバルのザイテック21号車は1分21秒745をマークしており、総合2位での走行終了となった。

 迎えた土曜。好天に恵まれたこの日、予定より5分ほど遅れた午前10時40分から、まずはドライバーの基準タイムクリアを目的としたドライバー予選が行なわれた。 1時間のこのセッションで、ニュータイヤを履かず、ユーズドタイヤでの走行を選択したTEAM無限は、まず荒聖治がステアリングを握ってコースイン、3周目に1分23秒714のベストタイムをマークしてピットイン、黒澤治樹にバトンタッチ。引き継いだ黒澤も10周目に1分23秒733と、荒と同等のタイムをマークし、一旦ピットへ。さらに黒澤が周回を重ねた後、セッション半ばからは荒に再びステアリングが託され、セッションの終わりまで走行を続けることとなったが、TEAM無限ではレースシミュレーションを行ないながらエンジンマップや車高の調整、タイヤの選択などのメニューをこなす。

 ここではザイテック21号車が1分22秒015をマークしトップを奪い、無限COURAGE LC70は1分23秒714で2番手という結果となった。午後3時10分から行なわれたグリッド予選。最初の20分間はLMP1とLMP2マシンによる占有時間帯となるが、LMP2マシンの多くがセッション開始早々にコースインしたこともあり、TEAM無限ではコースのクリアになる状況を見計らって、コースインしたのは午後3時22分過ぎと、残り8分を切った段階。同様にピットで待機していたライバルのザイテック21号車に続いて、荒がステアリングを握った無限COURAGE LC70がアタックに向かった。なお、この予選セッションで使えるタイヤは1セットのみ、しかもこのタイヤで明日の決勝をスタートしなければならないため、決勝を見据え、チームではハード目のタイヤを選択している。

 コースイン1周目を1分45秒929とした荒は、ゆっくりとタイヤを温め、翌周も1分26秒719とスローペース。この段階でも、既にザイテック21号車に次ぐ2番手に着けていた無限COURAGE LC70は、続く3周目にアタックを行い、週末を通じてのベストタイムとなる1分22秒216をマークする。しかし、この時点でザイテックは1分20秒251をマークしており、荒はさらなるアタックを敢行するが、バックストレッチ手前のアトウッドカーブで痛恨のスピンを喫してタイム更新はならず。

 この結果、無限COURAGE LC70は、日曜の決勝を2番グリッドからスタートすることとなった。

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熊倉淳一監督コメント

「ザイテックとは車両レギュレーションの違いもあるので、ある程度タイム差が出ることは予想していました。ですから、今回は完走を目標にクルマを仕立てて来ていますし、予選に関してはあまり気にしていません。予選中のスピンに関しては、ライバルのタイムを見ながらドライバーもアタックしていますし、クルマのポテンシャル面を考えればちょっと無理な面もあったかもしれませんね。しかし、ライバルとの戦いもありますが、まずは自分たちとの戦い。自分たちの立てたスケジュールどおりにクルマを走らせることが出来るかどうかが明日の課題でしょうね。」

黒澤治樹コメント

「とりあえず、昨日〜今日とノントラブルで来ているので、できれば明日もこのままの調子で行きたいですね。テストの段階から比べても、セットアップの面などで確実にマシンのレベルは上がっていると感じていますが、今日の予選の段階でもまだ課題はあったと思うので、まだまだやるべきことはたくさんありそうですね。明日はもう最終戦ということになるのですが、まずは完走です。そこをなんとかクリアして、その先に結果を残せたら最高ですね。」

荒聖治コメント

「予選ではいろいろテストしながらのアタックだったこともあり、正直に言えばまだまだフィーリングでは改善すべき点はありますね。それでもラップタイムを狙っていかなければならないので、まだ乗りにくい部分もある中で、アトウッドの進入でスピンしてしまいました。残念ですが、すべてが悪いわけではないので、良い部分を生かして決勝では頑張りたいと思います。」

 

2006. 10. 29 sun.
観客数:4,800人

 

フリー走行 晴れ/ドライ 気温:14℃ 路面温度:16℃

#16 無限 COURAGE LC70  1分24秒878  2位

決勝 晴れ/ドライ    
気温/路面温度
スタート時 正午 午後1時 午後2時 午後3時 午後4時 午後5時
22℃ / 27℃ 21℃ / 27℃ 22℃ / 29℃ 22℃ / 28℃ 23℃ / 28℃ 20℃ / 25℃ 19℃ / 20℃

#16 無限 COURAGE LC70  243周  優勝  ベストタイム:1分23秒729

 

 前日同様、まずまずの好天となった日曜。午前8時から30分間のフリー走行が行なわれた。

 前日までの走行で、ややリヤブレーキの温度が高い傾向があったため、予選後に冷却対策を施し、決勝への準備を終えた無限COURAGE LC70は、荒のドライブでいの一番にコースイン。徐々にタイムを上げると、6周目に1分24秒878をマークする。荒は9周目にピットインし、黒澤へとステアリングを委ねるが、10周目を1分37秒055で通過した直後、前日荒がスピンを喫したのと同じアトウッドカーブで黒澤がコースアウトしてしまう。 しばしその場にストップしたものの、なんとかピットに戻った無限COURAGE LC70。スタッフがガレージで各部のチェックと清掃を行なうも、大きなダメージがないことが確認されたため、再びコースイン。午前8時30分にチェッカーが提示され、あまり周回できなかった黒澤だったが、チェッカーまで走行し、マシンに異常がないこと確認してマシンを降りた。ここでもポジションはザイテック21号車に次ぐ2番手であった。

 ピットウォークを終えた、午前10時30分。早くも271周に及ぶ決勝に向けたスタート進行が開始された。

 スタートドライバーを務める荒がコクピットに収まり、無限COURAGE LC70がアウト側の2番グリッドに着く。そして11時ちょうどにフォーメイションラップがスタート。ローリングスタートが切られたのは午前11時03分であった。

 ポールのザイテック21号車が1コーナーを制し、荒の乗る無限COURAGE LC70は2番手に。そのままのポジションでレース序盤、周回をこなすこととなったが、ザイテック21号車は1分21秒台という恐るべき速さを見せてギャップを築いていく。一方の無限COURAGE LC70は、4周目に1分23秒729をマークも、基本的にはチームの組んだプログラムどおり、自分たちのペースを守って戦う作戦である。

 30秒弱のギャップが開いた40周目、ちょうどスタートから1時間が経過したところで、無限COURAGE LC70は最初のピットインを行なうが、ここでの作業は給油のみ。ドライバーもタイヤも2スティントずつ走る予定だ。一方、トップを行くザイテック21号車も44周目にピットに入ってくるが、冷却系のパイプが折損しており、その修復になんと32分もピットに留まることに。この間も安定したラップを刻んだ無限COURAGE LC70は、難なく44周目からトップを快走することに。

 ザイテック21号車はその後コースに復帰も、既に20周遅れという状況。しかも、やっとコースに復帰したザイテックだったが、燃料ポンプのトラブルから51周目の1コーナー手前でコース脇にストップ。なんとかサブのポンプを動かしてピットに戻るが、さらに無限COURAGE LC70との差は28周にまで拡大することに。この時点でチームは無限COURAGE LC70を駆る荒に無理をする必要がないことを伝え、必ずや完走するべくエンジン回転を少し抑えての走行に切り替える。それでも1分24〜28秒という安定したラップタイムを刻み続ける無限COURAGE LC70は、その後80周目にピットイン。

 今度はタイヤ交換、ドライバー交代、給油を行なって、レースは中盤へ突入。なお、この黒澤のスティントから、チームは予想よりも上がらない路面温度を鑑み、以後はソフト目のタイヤをチョイスすることとなった。ステアリングを引き継いだ黒澤も、周回後れをかわしながらも安定したペースで周回。120周目に再び給油のみを行なった無限COURAGE LC70は、午後3時、160周目に再びピットインしタイヤを交換、給油をして再び荒が乗り込んでピットを後にする。大量リードを築いているためか、ピットでのスタッフの作業も落ち着いており、ミスなくマシンをコースに送り出すことに成功する。

 そして202周目に最後のピットインを行なった無限COURAGE LC70は、最後のスティントを黒澤が担当。所定の271周ではなく、6時間という時間のリミットが先に訪れ、結局レースは243周で終了。終盤、目前で他車がスピンをするなど、一瞬ヒヤッとした場面もあったが、無限COURAGE LC70は終始安定したペースで周回を刻み、見事総合トップでチェッカーを受けることに。西日の差し込む午後5時04分、ゆっくりとした速度でホームストレートを通過しながら、コクピットの黒澤がスタンドに手を振りながらフィニッシュラインをまたぎ、ここに無限COURAGE LC70は参戦2戦目にしてJLMCシリーズの初優勝を達成することとなったのだった。

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熊倉淳一監督コメント

「ラップタイム的には序盤、ザイテックのペースが速かったので、あまり追いかけることなく、予定通り淡々と自分たちのペースで走ることにしたのですが、こちらがルーティンのピットストップを終えた後に、向こうにトラブルが出て長時間止まったので、後はもう無理せずペースを落とし、完走を目指しました。後続との差が開いていたこともあり、ピット作業も焦ることなく落ち着いて確実にこなせていました。スタッフひとりひとりが今までの経験を生かしてメンテナンスしてくれたことで、今回はノートラブルで走りきることができましたね。もてぎ以降、チーフメカニックはじめ、各担当者がしっかりやってくれた結果です。最終戦で優勝できたということで、これをうまく来年につなげていければ良いですね。」

黒澤治樹コメント

「今年1年間、僕はM-TEC、COURAGEとともにLMESとJLMCの両方の開発を任されてきたのですが、ここまでは思いのほかトラブルが多く、ヨーロッパの方では全戦リタイアというびっくりするような結果になってしまいました。自分もM-TECもCOURAGEも、みんなが共同でスタッフを行き来させて体制を変え、ドライバーもチームも必勝体制で臨んだ今回、優勝という結果を残すことができて本当に良かったと思います。メカニックは昨日も今日も目が赤かったので、多分遅くまで作業をしてくれたのだと思いますし、それで結果が出せて本当に良かった。というよりも、今はホッとした、という気持ちですね。」

荒聖治コメント

「もてぎから参戦を開始したのですが、初戦は致命的なトラブルで走れず、戦う以前の問題というか、関係者やスポンサー、応援してくださった方々をがっかりさせてしまったのですが、そういう状態のクルマを、この最終戦に向けてスタッフがよく走れる状態に仕上げてきてくれたとすごく感謝しています。僕がスタートを担当したのですが、ザイテックが予想以上に速かったので、あのまま走り続けられたら追いつけないのではないかとも正直考えました。しかし、ザイテックがトラブルで遅れた後は、ミシュランタイヤの安定したパフォーマンスを武器に、若干エンジンの回転を下げて余裕を持ってノートラブルで安定して走り切ることができましたね。今回の結果は本当にうれしく思っています。」

 

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